派遣社員への差別が招く企業淘汰とは
派遣社員差別を続ける企業の淘汰は、着実に進んでいます。
SNSの普及により、「従業員を大切にする優良企業」という好評も、「派遣社員を差別するブラック企業」という悪評も、誰もが簡単に発信できる時代です。
デジタル技術の変革「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の促進も相まって、個人間の情報共有のスピードも劇的に加速しています。
そんな現代で、例えば非正規社員に対して「雇ってやっている」という古い考えを持ち、雇用形態だけを理由に差別し続けるとどうなるのか?
BtoCのメーカー企業で考えてみるとわかりやすいでしょう。
派遣社員をはじめパートやアルバイトの人達は、派遣先企業から不当な扱いを受けた場合、家族や友人に共有するでしょう。
その中の誰かがSNSで発信しようものなら、派遣先企業はあっという間に「ブラック企業」のレッテルが張られてしまいます。
非正規社員も、正社員と同じく大切な「人材」であり、「お客様」でもあります。
「派遣社員を差別する企業」と周知されればお客様は離れていき、働き口としてもその企業は選ばれなくなります。
人手不足や経営不振の負担は既存の正社員に圧し掛かり、耐えきれず退職者は続出。
利益・人材を損失した企業の行く末は、想像に難くありません。
上層部がいくら企業ブランディングに取り組んだとしても、末端の正社員が派遣社員を差別している限り、積み上げた信頼は瞬く間に失われてしまうという事です。
超高齢化社会が叫ばれ、「人材」一人一人の存在はこれからの社会づくりに一層大きな意味を持ちます。
共に現代を生きる「人」として、自社の派遣社員差別に気付き、社会発展の為にも柔軟に変化していただきたいと思います。
では、企業は具体的にどう変化すべきなのでしょうか。
法改正を基に、取り組むべき内容を見ていきましょう。
企業が取り組むべき「働き方改革」~法改正の解説~
企業が取り組むべき内容は大きく2つです。
[1]労働時間法制の見直し
[2]雇用形態に関わらない公正な待遇の確保
上記は働く人それぞれの事情に寄り添い、多様で柔軟な働き方を実現する為に発信されました。
時代に適応し、自社の発展を叶える為にも、特に派遣社員と直接関わる担当者には確認してもらいたいと思います。
[1]労働時間法制の見直し
■見直しの目的
「働き過ぎ」を防ぎながら、「ワーク・ライフ・バランス」と「多様で柔軟な働き方」の実現
■見直しの内容
・残業時間の上限を規制
・「勤務間インターバル」制度の導入促進
・1人1年あたり5日の年次有給休暇の取得を義務化
・月60時間を超える残業の割増賃金率の引上げ
・労働時間の状況を客観的に把握することを義務化
・「フレックスタイム制」の制度を拡充
・「高度プロフェッショナル制度」の新設
※参考:2019年 厚生労働省「働き方改革~一億総活躍社会の実現に向けて」
[2]雇用形態に関わらない公正な待遇の確保
■改正の目的
同一企業内における正社員(無期雇用フルタイム労働者)と非正規社員(パートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者)の間の『不合理な待遇の差』をなくす
■改正の概要
同一企業内において、正社員と非正規社員との間で、基本給や賞与などあらゆる待遇について、不合理な待遇差を設けてはいけません。
※参考:2019年 厚生労働省「働き方改革~一億総活躍社会の実現に向けて」
■改正法について
2020年4月1日に「パートタイム・有期雇用労働法」が施行されました。
労働者がどのような雇用形態を選択しても待遇に納得して働き続ける事が出来るよう、正社員と非正規社員の間の不合理な待遇差を禁止する法律です。
改正のポイントは3つあります。
・不合理な待遇差の禁止
同一労働同一賃金として、あらゆる待遇(基本給、賞与、役職手当、食事手当、福利厚生、教育訓練など)において、不合理な待遇差を設ける事は禁止となりました。
「均衡待遇規定」では待遇ごとの判断基準を明確化され、「均等待遇規定」は新たに有期雇用労働者も適用されます。
・労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
事業主は、雇入れ時に雇用管理上の措置(賃金、教育訓練、福利厚生施設の利用など)を有期雇用労働者に説明する事が義務付けられました。
また、非正規社員は正社員との待遇差の内容・理由について、事業主に説明を求める事が出来るようになりました。
事業主はきちんと説明し、求めた労働者に対して減給や解雇など不利益な取り扱いをしてはいけません。
・行政による事業主への助言・指導などや裁判外紛争解決手続き(行政ADR)の整備
都道府県労働局において、事業主と労働者の間の紛争を裁判以外の方法で解決する手続きが、非正規社員も適用されるようになりました。
※参考:厚生労働省「パートタイム労働者、有期雇用労働者の雇用管理の改善のために」
このように、企業は国の方針を基準に正しく柔軟に変化していく事が求められています。
しかし、どこの企業も自社だけで改革が進められるとは限りません。
一番苦しい思いをしているのはいつも現場の方々ですが、非正規社員の力を借りても尚、体力に余裕のない企業は少なくないでしょう。
課題が見えているのに自社だけでは解決に向かえないとき、企業はどこを頼ればよいのでしょうか。
次章で解説します。
「派遣会社との連携」で労働者を守りながら健全な会社経営を実現
派遣会社との密な連携は、健全な会社経営の手段の一つとして有効です。
なぜなら、企業発展に重要な「リソース不足」を適切に解決出来るからです。
リソースが不足している企業では、
・末端社員に教育が行き届かず派遣社員の差別が横行
・派遣社員が定着せず短期的な欠員補充を慢性的に繰り返しコストが増加
・労働環境の悪化で正社員の負担も膨らみブラック企業化
など、取り返しのつかない事態になりかねません。
ただし、派遣会社であればどこでもいいという訳ではありません。
きちんと派遣先企業に向き合い、言い辛い事でもしっかり伝え、より良い気付きを与えてくれる派遣会社を選ぶ事が大切です。
前述したように、派遣社員を差別する正社員がいては、非正規社員を何人雇おうとも生産性は上がりません。
もっといえば、派遣社員が差別されているのを見過ごし、その企業の未来も派遣社員の人権も鑑みない派遣会社(担当者)では、予算の垂れ流しにしかなりません。
抜本的なリソース不足の解消には、以下3つの特徴を兼ね備えている「本当に信用できる派遣会社」を選ぶようにしましょう。
[1]企業が成長している
[2]第三者による評価がある
[3]親身なサポート体制を整えている
※派遣会社の選び方については別の記事でも詳しく解説しています。
よかったら参考にしてみてください。
『人材派遣が逆効果?経営危機に陥らないための派遣会社の選び方』
「キズキ」こそが道徳的な社会を創造する
この記事では、「派遣社員の差別」に対し、企業・派遣社員・派遣会社の三方にとってより良い気付きになればという想いを込め、敢えて厳しい発信をさせていただきました。
インプルーブ株式会社は、「人として」を大切にし、道徳的な社会づくりを目指す企業です。
当社は人材に携わる企業として、雇用形態による差別を見過ごす事は出来ません。
派遣社員も「人」です。選んでいるのは、派遣先企業や派遣会社だけではありません。
当社は派遣社員にも「選んでもらう」という認識を忘れず、目の前の「人」と真摯に向き合い、結果的にお客様の為になるのであれば言い辛い事であってもハッキリと言及します。
これまでお客様である企業の課題に徹底的に向き合い、派遣社員にとってより良い職場を提供する事に実直に取り組んできた結果、お陰様で創業以来右肩上がりの成長を続けて参りました。
市場調査やマーケティングに特化したゼネラルリサーチ株式会社からも高い評価をいただいています。
スピード感のある派遣会社 第1位
また利用したい派遣会社 第1位
ニーズに沿った提案が出来る派遣会社 第1位
こうした付加価値提供は、お客様からも高評価をいただいております。
お客様の声は【こちら】
インプルーブは、<確かな『キズキ』のクリエイティブカンパニー>です。
この「気付き」「築き」「絆」の3つが掛かるキャッチフレーズには、「絆を持って共に気付きを与え、共に築き上げられる会社でありたい」という創業時からの願いが込められています。
自社の利益だけを追求せず、派遣先企業や派遣社員が共存共栄できる関係づくりに取り組むからこそ、本当の意味でのパートナー企業が目指せると考えています。
今こそ既存派遣会社との取引を見直してみませんか?
よかったら現在抱えている悩みや不安だけなく、目指すべき方向性やビジョンについてもぜひお聞かせください。
インプルーブへのお問い合わせは【こちら】
社員の「絆」によって支えられている当社の発信が、一社でも多くの企業に「気付き」を与え、共に更なる「築き」を創り出す会社として、道徳的な社会づくりの一役になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。