派遣社員のミスマッチ~もしもの対処方法は「交代要請」~
派遣社員は、予め定められた派遣基本契約などに基づき、交代を要求することが可能とされています。
■交代要請の対象となりやすいケース
- 遅刻や欠勤が多く、職場規律に従わない
- 業務能率が著しく低く、労働水準を満たさず改善もみられない
- 事前に話していたスキルと実務レベルのギャップが大きすぎる
ただし、「使えない」と感じたらといって、派遣社員を企業の一方的な判断で交代させることは難しいです。
正当な理由がなければ交代要請に強制力はないため、派遣会社も必ず受け入れてくれるとは限りません。
また、明確な証明がない場合、企業からの一方的な解雇通知に相当し、派遣社員に対して休業補償を支払う必要があります。
■交代要請が難しいとされるケース
- 会社のカラーに合わない、覇気がないなど理由が抽象的
- 通常期待される業務成果以上の高い水準を企業側が求めている
- 派遣されてすぐに交代要請を出す(早急な結論で正確性を欠いた企業と判断される場合がある)
【補足】
休業補償とは、派遣会社が派遣社員を休業させた場合に派遣社員へ支払う金銭のことです。
労働者派遣法29条の2において、派遣先都合で派遣社員が休業となった場合、休業手当等の支払に要する費用を、派遣先で負担するなどの措置をとることが義務付けられています。
規則違反や著しい能力不足な派遣社員なのであれば、企業としてはコストと時間をかけてでも交代要請を出すべきといえるでしょう。
とはいえ、「正当な理由がない」もしくは「毎回ミスマッチな派遣社員が来ている」などであれば、同じコストや時間をかけるにしても別のアプローチを考えた方が得策かもしれません。
どのような対策があるのか、次の章でみてみましょう。
派遣社員だけじゃない!派遣会社と派遣先企業の問題点
「派遣社員が使えない」と感じる要因は、以下の2つも可能性として挙げられます。
- 派遣会社
- 派遣先企業
1.派遣社員が使えない要因が「派遣会社」の場合
毎回来る派遣社員が使えないと感じる場合、派遣社員に問題があるのではなく、そもそも派遣会社が企業に対して「ミスマッチな人材」を派遣している可能性が考えられます。
■ミスマッチな人材が派遣されやすい派遣会社の傾向
- 企業に対して親身なヒアリングがない
- 質問や要請に対するレスポンスが遅い
- 要望を伝えても動いてくれる様子はなく、改善提案もない
- 一人の担当者が膨大な人数の派遣社員を抱えている
- 派遣後のアフターフォローがない
- 派遣会社の業務が営業、採用、管理等に専業・分担化されている
1人の担当者だけでは派遣会社全てに問題があるとは言い切れず、判断が難しい部分もあります。
派遣社員の交代だけでも十分な負担になっていることを考えると、担当者の交代よりも派遣会社そのものを変えることを視野に入れた方がよいかもしれません。
※記事の後半には派遣社員雇用を成功させる「派遣会社の選び方」を具体的に紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
2.派遣社員が使えない要因が「派遣先企業」の場合
使えないと感じさせる派遣社員は、派遣先企業によって誕生してしまっている可能性も否めません。
むやみに派遣社員を責める前に、該当する項目がないかチェックしてみましょう。
■派遣先企業の改善が必要なケース
- 派遣会社に要望が伝わっていない
- 派遣社員が変わっても仕事が進ない
- 職場環境が原因で派遣社員に避けられている
- 予算と労働条件が見合っていない
それぞれの解説と改善策は以下の通りです。
【派遣会社に要望が伝わっていない】
求めている人材のスキルと派遣社員のスキルが異なる場合、担当者との間に認識の齟齬が発生しているかもしれません。
求める適性やスキルに応じた派遣料金や条件かが重要です。安い金額やその他労働条件が他社と比べて過酷な場合は見直しが必要です。職種相場や近隣相場などと比較して問題がなければ明確な基準で提示し、担当者と細かくすり合わせましょう。
【派遣社員が変わっても仕事が進まない】
平均的な能力のある派遣社員であっても、疎かな指導やわかりにくい指示では本来の力を発揮することは難しいです。
導入教育やマニュアル、指導方法を見直し、新しく来た人でもスムーズに業務を進められる体制が整っているのか、客観的に見直してみましょう。
【職場環境が原因で派遣社員に避けられている】
派遣社員にも就業先を選ぶ権利があります。
派遣先企業の労働環境や職場の雰囲気は口コミや派遣会社から伝わっているので、過去や現在の内容によって優秀な派遣社員から避けられているケースも考えられます。
長時間勤務や正社員と差別するような社風、パワハラの横行など、派遣社員にとって望ましくない労働環境になっていないか、課題の明確化と改善に取り組むことをおすすめします。
【予算と労働条件が見合っていない】
予算の設定が低い場合、その価格に見合ったスキルレベルの派遣社員しか来られない可能性があります。
高額報酬で確実に優秀な人材がくるとは限りませんが、少なくとも自社を志望する派遣社員の母数は増えるため、派遣会社側も多くの選択肢の中からよりよい人材を選出しやすくなります。
どうしても予算の上限を上げることが難しい場合は、労働条件を予算に合わせたものに調節し、少しでもミスマッチの軽減を図りましょう。
派遣社員が使えないと感じる時は、派遣会社や派遣先企業に問題があるケースは少なくありません。
どんなに真面目に頑張りたい派遣社員であっても、環境ひとつで発揮できる能力は著しく限られてしまいます。
同じ部署で何度も人が入れ替わり定着していない場合は、その部署内に原因がある事が大半です。
派遣社員を部外者の単なる応援人材と見るのではなく、同じ目標を持った仲間として組織を組み立て、そして同じ仲間としての対応を心掛ける事で派遣先企業に対する愛社精神を促す事が出来ます。
特に企業の職場環境の改善は、優秀な派遣社員が来た際の定着率にも影響するので、懸念要素がある場合は早急に対応することをおすすめします。
しかし職場環境の改善は容易なものではありません。
状況によってはそこまで手を回せず、とにかく助けてもらいたい企業もいることでしょう。
そんな時はどのように派遣社員を依頼すればいいのでしょうか。
次の章で具体的な対策を確認しましょう。
派遣社員雇用を成功させる3つの対策
派遣社員雇用を成功させるための対策は3つあります。
- 派遣会社には求める人材を具体的に提示
- 予算を引き上げる
- 派遣会社の選び方を知る
1.派遣会社には求める人材を具体的に提示
前章でも触れましたが、企業と派遣会社の間の認識が違っていれば、当然ミスマッチは起こってしまいます。
担当者からのヒアリングに不安がある場合は、以下のような項目をしっかり準備し、細かく伝えるようにしましょう。
【提示情報例】
- 募集背景
- 就業開始日
- 業務の詳細
- 就業条件
- 求めるスキルや資格
- 就業期間
- 配属する予定の職場環境
など
2.予算を引き上げる
こちらも前章で触れましたが、派遣会社側も高い派遣料金や纏まった人数での依頼そして条件が比較的優しく募集難易度が低い企業の方を優先させやすいです。
その場合は高い能力を持つ人材も派遣されやすくなりますので、交代要請や度重なる導入教育のコストや時間を鑑みるなら、初めから予算設定を上げておくことが賢明といえるでしょう。
3.派遣会社の選び方を知る
ミスマッチな人材を派遣されないためにも、企業にしっかりと向き合ってくれる派遣会社を選ぶことは大切です。
「しっかりヒアリングはしてくれるのか?」
「何かあってもスピーディーに対応してくれるのか?」
「アフターフォローは大丈夫なのか?」
など、実際に依頼してみるまで不安が拭えないことは少なくありません。
派遣会社を選ぶときは「客観的な実績」を参考にすることをおすすめします。
- 外部機関からの高い評価を受けている
- 情報作為のできない売上高の推移
- ぶら下がり社員の多い大手ではない中堅会社
あまり大きな声でいえませんが、この情報化社会において真意を確かめる術はありませんが、一般的な口コミは創作されたものが混在していることも多いです。
また俗に業界大手なら安心と思われている人は世の中には大変多いのが事実です。
しかし大手社員には当然優秀な担当者もいますが、逆に大手であるがゆえに安心し情熱に欠けるぶら下がり社員の比率が多いのも実情としてはあるといえます。
揺るぎない「確かな情報」を目安とするようにしましょう。
新たに派遣会社を取り入れる場合は、難易度の高い欠員分だけを依頼するのではなく比較的に低い難易度の案件も抱き合わせで依頼する事で派遣会社の動きは断然良くなります。
まとめ~派遣の有効活用には多角的視点で根本解決を~
インプルーブ株式会社は、「絆」を大切にする人材派遣会社です。
当社は、派遣会社や担当者の質によって派遣先企業の業績が左右されることを認識しています。
そのため、これまでお客様である企業の課題に徹底的に向き合い、派遣社員にとってよりよい職場を提供することに実直に取り組んできました。
おかげさまで、創業以来右肩上がりの成長を続けてくることができ、市場調査やマーケティングに特化したゼネラルリサーチ株式会社からも高い評価をいただいています。
- スピード感のある派遣会社 第1位
- また利用したい派遣会社 第1位
- ニーズに沿った提案が出来る派遣会社 第1位
こうした付加価値提供は、お客様からも高評価をいただいております。
お客様の声は【こちら】
また、インプルーブのポリシーは、順境時の対応も当然のことながら「逆境時」にこそ真価を発揮します。
コロナ禍においては、困難な状況を強いられているお客様を鑑みて、全ての派遣先企業に対し売上5%返納(利益返納)を実施いたしました。
派遣社員を含む従業員に対しては、雇用形態に関わらず全ての方へ一律にマスクの配布も行いました。
コロナ禍の影響で契約が終了した社員へも同様の対応を行っております。
今回のインプルーブの対応は、本当の意味でのパートナー企業を目指す上において、共に痛みを分かち合い、今後も良いパートナーでありたいという思いに尽きます。
インプルーブは、<確かな『キズキ』のクリエイティブカンパニー>です。
この「気付き」「築き」「絆」の3つがかかったキャッチフレーズには、「絆を持って共に気付きを与え、共に築き上げられる会社でありたい」という創業時からの願いが込められています。
自社の利益だけを追求せず、派遣先企業や派遣社員が共存共栄できる関係づくりに取り組むからこそ、本当の意味でのパートナー企業が目指せると考えています。
今こそ既存派遣会社との取引を見直してみませんか?
よかったら現在抱えている悩みや不安だけなく、目指すべき方向性やビジョンについてもぜひお聞かせください。
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